星語り(一番星のなる木)

星と天界の音楽

間宮林蔵(吉村昭)

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間宮林蔵吉村昭


 今まであまり意識することなく通り過ぎてきた日本史。通り過ぎたといっても、せいぜい学校の授業の中ぐらい… この本の主人公、間宮林蔵も、名前は聞いたことがあっても、何をした人なのかは考えたこともありませんでした。それが伊能忠敬つながりで、天文史にも名前を残していることを知り、しかも関東圏の人物ではありませんか!(笑)

 というわけで、今年初めには足跡を訪ねる旅(というほど大げさなものではなく)をはじめ、彼の生家や記念館に足を運びました。それでもまだ物足りない(?)ので、手を出したのが本書。購入してから半年以上たって、ようやく読み始め、あっという間に読み終わってしまいました。

 学術書ではなく小説。とはいえ、様々な文献や資料を参考に、作者である吉村昭氏が創作した話であるとはいえ、歴史に忠実に描いてくれているので、日本史(歴史?)が苦手だった私のような人間にとって、とてもとっつきやすく触れることができ、「へぇぇ、そうだったんか!」なんてことがいくつも出てきました(そのたびに付箋貼りまくり)。

 前半は蝦夷地測量、後半は隠密…。 あちこちのレビューにはそんな風に書いてありました。確かにそんな。ただ、井上ひさしの『四千万歩の男』の後だったこともあり、なかなか主人公に感情移入ができず、歴史上の人物のイメージを壊さずに書く場合は、小説家の気持ちがあまり入ることはないのかもしれません。どちらかといえば、映像で言うところのナレーションのような進行です。

 とはいえ、ドラマチックな彼の生涯は、一冊の小説では展開が早く、多くのレビューにあるように一気に読めたという感じでした。

 

 間宮林蔵は、世界地図の中で唯一名前を残した日本人、ということらしいのですが、考えてみれば、西洋世界では大航海時代に初めて訪れた時に、先住民のことなど考えもせず、上陸した人の名前などをポンポン付けていたから、シーボルトが行った命名も、それに倣ったものだったんですね。1年前の天文講座で、南半球編でコロンブスとかマゼラン、宣教師たちの様々な航海に関して本を読みましたが、その時は「マミヤ」に届かず…

 

星のソムリエ