星語り(一番星のなる木)

星と天界の音楽

日の出

 昨年5月から撮り始めた日の出の写真ですが、前回太陽がフレーム・アウトしてしまったため仕切り直しです(トホホ)。

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2019/12/08 06h49m (方位119.5度)

 

日の出(二十四節気)

 

 最近、日本の天文学史にハマってしまったので、撮影地にしている神社の歴史を調べてみると、建立は1810(文化7)年前後。その頃、伊能忠敬が九州にて第七次測量中。その前後には麻田剛立の門下生である高橋至時間重富が「ラランデ暦書」を発行、間宮林蔵樺太が島であることを実証し(1809)、高橋景保が伊能図をもとに「日本輿地図藁」を作成した頃ということがわかりました。

 歴史といったら、私の中では戦国時代とか、そんなことぐらいしか思い浮かばず、そして今の日本が戦争とは無縁になってしまったため、そうした歴史にはピンと来ないまま学生時代は過ぎていきました(いわゆる平和ボケというやつ)。だから、あまり馴染めなかったのはやむを得ないか…(言い訳)

 いざ、自分の興味が江戸時代の天文学に向いたとたん、急に親しみがわき、神社という場所柄、神殿の彫刻などに目を向けると、とたんに彼らの存在が身近に感じられるから不思議です。

 

日本の天文学

マクロコスモス(ジョージ・クラム)

 現代音楽の中にあって、難曲中の難曲と言われる「マクロコスモス」。ピアノを打楽器として使うことも想定し、ピアノ内部にも異物を挟み込む「プリペア ド」という奏法で表現する大曲。その性格のため、なかなか演奏される機会がありませんが、2019年に日本人の清水美子のCDがリリースされ、ちょっとし た話題にはなりました。しかし、それでも全曲というわけにはいかず、とりあえず2019年現在では、ドイツのベルリン・ピアのパーカッションというユニッ トのCDが2011年に全4部作をレコーディングしてくれたアルバムが、その全貌が明らかにしてくれています。

 20世紀に入り星座をテーマとした無調の現代音楽が数多く作曲されました。ミゴ、ブーレーズ、ケージ、シサスク、シュトックハウゼン、そしてクラム。どの曲も調性音楽とはかけ離れた自由な表現方法で、おおよそ古代ギリシアに広まった星座の世界の、現代人が考えるようなロマンチックな音楽とはほど遠い音楽となっています。この手の音楽は曲目に思いっきり惹かれるのですが、いざ聴いてみるとオカルト映画のB.G.M.なみのおどろおどろしさもあり、実際にこれを流しながら眺めてみる勇気はありません(笑)

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マクロコスモス(ジョージ・クラム)

 

天空に魅せられた生涯 小説麻田剛立伝(柳田昭)

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天空に魅せられた生涯 小説麻田剛立


 ちょうど一年前、春先の講座にあわせて時代劇小説を読み始めました。ほぼ一年かけて井上ひさしの『四千万歩の男』を読み終え、それ以来時代劇小説にハマってしまってます(とはいえ、ジャンルは天文に関わるものだけ)。そして、今までまったく顧みることのなかった日本の天文学の面白さに辿り着いたのは、これらの小説群だったと言っても言い過ぎではないかもしれません。

 そして、今回のこの一冊。近代日本天文学の祖といえる麻田剛立。過去の自分のノートを見返してみても、記載されることはなかったと思います。おそらく、この文字をノートに記したのは初めてのような気がします(パソコン検索などではバンバカ打ちまくってましたが…)。
 彼の評伝、資料集、そして児童文学に至るまで、様々な資料を総括すると、この江戸時代中期に活躍した麻田剛立を省いてしまったら、その後の日本の天文学は成り立たなかったであろうと思えるほどの人物だったということを思い知らされました。(そんなこともあって、最近の講座では、月面に残されたクレーター・アサダともども、必ずと言っていいほど「麻田」の名前を紹介しています(それともう一人はウィリアム・ハーシェル)。
 これほどの人物は、西洋人でたとえるならケプラーの法則と同じ法則を独自に発見したということ以外当てはまる人物はいないのではないでしょうか?といのも、西洋では先取権をめぐる人間の欲望が顕著に現れているのに対して、麻田は謙虚(カール・セーガンがPale Blue Dotのなかで「天文学者ほど謙虚な人間はいない」といった言葉を残していますが、まさに彼のことをさしているように思えます)そのものの人物だったのではないでしょうか。それは歴史的に見て、確かに仕えるべき君主に黙って脱藩したことも手伝って、表立って目立ちたくなかったということもあるのでしょうが、その後の生活態度など見ても、それだけではなかったことがわかります。

 あまり資料が残されていないから、今回紹介する小説などに描かれた剛立像をそのまま信じることはできませんが、作者はそれを意識してか、主観的な人物像ではない描き方をしていて、個人的には感情移入できない分好感が持てました。そして、物語の展開は史実に基づいた流れに沿っているので、彼の業績などはそのまま資料として使えるのではないかと思います。

 というわけで、日本の天文学をしっかり勉強しようということで、その出発点は、やはり麻田剛立ということになるのではないでしょうか? 

太陽四重奏曲(ハイドン)

 太陽という名前に引きずられて耳を傾けても、当然太陽っぽい感じは一切せず。それもそのはず、出版社がこのセット(第31番から第36番までの6曲)の楽譜を出版する際、楽譜の表紙に太陽の絵を使ったという理由から『太陽四重奏曲』とニックネームがついた楽曲。
 だからといってつまらないことはなく、ハイドンの持つ明るさに満ちた世界にあふれています(昔はこの良さに気づかなかったので「つまらない」といって敬遠してました)。このセットに限らず、ハイドンの曲は星を眺めながら傍らで掛けておきたい曲です。

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太陽四重奏曲(ハイドン)/ ハーゲン四重奏団

 あえて星空っぽい曲を選ぶなら、第78番の『日の出』という楽曲が、情景を連想しやすいと思います。

太陽四重奏曲/ ハイドン

夢をまことに(山本兼一)

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夢をまことに(山本兼一

本の表紙が月を眺める主人公の国友一貫齊(1778-1840)。
彼の前向きな考え方が多くの発明品を生み出していく。
読んでいてゾクゾクくるのは天文のくだり。
月面、太陽(ゾングラスと呼ばれる太陽専用フィルター)の観測。
ちょうど太陽の講座ネタにかぶさるくだり等、
これもまたタイムリーな小説となりました。

自分のペースでは、
このページ数だとかなりかかると思っていましたが、
展開のテンポよさもあいまって
(通勤時以外の時間も割いたこともあり)、
1週間で読み切りました。
私にとってはかなりのハイペース。

300年近く前の人物なのでわかりきっていることなのに、
唐突とも思えるエンディング(個人的に好き)。
何度も読み返したくなります。

星をたずねて 太陽(2019/11/20)

 

無事に日比谷の講座が終わりました(すでに3日経っている)。
今日は冬らしい雨。
書斎にはストーブにのせた鉄瓶から湯気の音だけ
(実際にはウィンダム・ヒルの音楽がなってます)。

 

何かが終わって、ぼーっ とする時間も必要。うん。
庭の葉の雫眺めたり、
書棚のタイトルだけ眺めたり、
CDラックのタイトル眺めたり…

 

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SUN RINGS/ Terry Riley -2019-

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Sun Ring/ Terry Riley

NASAからの要望で、複数の宇宙探査機や、地上の電波望遠鏡などで捉えた宇宙の音(冨田勲が『DAWN CHORUS』で使った音など)などからインスパイアを受け、合唱などとコラージュさせた作品集。もっと現代音楽っぽい音がするのかと思っていましたが、なかなか「それ」っぽい(笑)に仕上がっていて、聞きやすい作品です。

 それにしても、まぁ、グッド・タイミングとでも言うのでしょうか?3日後に控えた講座(太陽)の仕上げにB.G.M.で聞くことができるとは!