星語り(一番星のなる木)

星と天界の音楽

宵の明星

台風(19号)一過。

日が沈んだ西天低く、今年初めての宵の明星を認めました(17h30m頃)。
大気中も塵がなく、地平線すれすれだけがオレンジ色に染まり、
その中に動かない輝点がありました。
よく見れば、ゆ〜っくりと動いています。
「よく見れば」といっても5分ぐらい、じっと動かず見つめ
動きようがない遠くの電柱を目安に。

 

家に帰ってから目を向けるとすでに姿はなく
さそり(アンタレス)、木星土星南斗六星が輝いていました。

 

f:id:tupichan:20191013181652j:plain

木星土星

 

間宮林蔵(吉村昭)

f:id:tupichan:20191009000336j:plain

間宮林蔵吉村昭


 今まであまり意識することなく通り過ぎてきた日本史。通り過ぎたといっても、せいぜい学校の授業の中ぐらい… この本の主人公、間宮林蔵も、名前は聞いたことがあっても、何をした人なのかは考えたこともありませんでした。それが伊能忠敬つながりで、天文史にも名前を残していることを知り、しかも関東圏の人物ではありませんか!(笑)

 というわけで、今年初めには足跡を訪ねる旅(というほど大げさなものではなく)をはじめ、彼の生家や記念館に足を運びました。それでもまだ物足りない(?)ので、手を出したのが本書。購入してから半年以上たって、ようやく読み始め、あっという間に読み終わってしまいました。

 学術書ではなく小説。とはいえ、様々な文献や資料を参考に、作者である吉村昭氏が創作した話であるとはいえ、歴史に忠実に描いてくれているので、日本史(歴史?)が苦手だった私のような人間にとって、とてもとっつきやすく触れることができ、「へぇぇ、そうだったんか!」なんてことがいくつも出てきました(そのたびに付箋貼りまくり)。

 前半は蝦夷地測量、後半は隠密…。 あちこちのレビューにはそんな風に書いてありました。確かにそんな。ただ、井上ひさしの『四千万歩の男』の後だったこともあり、なかなか主人公に感情移入ができず、歴史上の人物のイメージを壊さずに書く場合は、小説家の気持ちがあまり入ることはないのかもしれません。どちらかといえば、映像で言うところのナレーションのような進行です。

 とはいえ、ドラマチックな彼の生涯は、一冊の小説では展開が早く、多くのレビューにあるように一気に読めたという感じでした。

 

 間宮林蔵は、世界地図の中で唯一名前を残した日本人、ということらしいのですが、考えてみれば、西洋世界では大航海時代に初めて訪れた時に、先住民のことなど考えもせず、上陸した人の名前などをポンポン付けていたから、シーボルトが行った命名も、それに倣ったものだったんですね。1年前の天文講座で、南半球編でコロンブスとかマゼラン、宣教師たちの様々な航海に関して本を読みましたが、その時は「マミヤ」に届かず…

 

星のソムリエ

高橋景保一件(二宮陸雄)

伊能忠敬の次に読み始めたのは間宮林蔵ですが、
「他にないかなぁ」と探していたら目にとまったのが本書。
まだ読み始めていませんが、こうなると…
どんどん日本の歴史(フィクションも含め)深みにはまっていく
自分の未来が見えて来ます(笑)

 

f:id:tupichan:20190921092054j:plain

幕府天文方書物奉行高橋景保一件

 星のソムリエ

四千万歩の男(井上ひさし)

f:id:tupichan:20190916135921j:plain

四千万歩の男(井上ひさし


単行本でも5冊に及ぶ大作
講座に併せて昨年11月に読み始じめたものの、
ようやく終了…

フィクションとはいえ
そのほとんどは伊能忠敬の日誌や研究書をベースに
時系列を繋ぎ合わせ、日記や研究書にない部分を創作したとか。
そのへんは『四千万歩の男の生き方』という別冊で明らかにしていました。

実在の人物も数多く登場し
読んでいてネタとして使えそうな部分も数多くありました。
作者的には続編を考えていたらしいのですが、
今となってはそれも叶わず…

伊能忠敬は地元の人物ではありましたが
大して関心も寄せていませんでした。
しかし星学(天文学)を知れば知るほど
重要人物の一人だったということに驚いています。

今度は伊能忠敬の跡を継ぐことになる
間宮林蔵吉村昭)の本を読んでみようと思っています。

ちなみに井上ひさしと言えば
私にとって一番好きな小説が『新釈遠野物語』です。

 

 

星のソムリエ

元素から見た化学と人類の歴史

はじめに――組織化の原理

第1章 物質とは何か? 
第2章 中世までに利用されていた元素
第3章 空気を調べてわかった物質の本性
第4章 新しい元素
第5章 微粒子から元素へ
第6章 秩序を求めて
第7章 原子の謎、解明される
第8章 元素を変化させる
第9章 天上の元素工場

おわりに――全と無

f:id:tupichan:20190907093928j:plain

元素から見た化学と人類の歴史

 昨日は久しぶりの快晴で幕を開けた観望会でしたが、途中雲の飛来があったりしたものの、透明度が飛び抜けて良く、北の空低く傾いた北斗七星が地平線上に横たわる姿を初めて目にすることができたほどでした。今回のギャラリーも、小さなお子さんが多く、そして土星という変わり種の天体は人気があって、何度も何度も列に並びなおして見直しをするリピーターが沢山いました。この天気も明日接近すると予報されている台風13号の影響が出る夕方まで続きました。おそらく、昨年同様、この台風が抜けた後は一気に秋の気配が濃くなるのではないでしょうか。

 さて、昨日購入した本は、直接宇宙と関わる(実際にはビックバンから始まったことを考えると、宇宙に関わりのないものなど何一つないのですが)ものではないのですが、次回の講座が太陽と言うこともあって、こうした元素の話題にも触れることもあろうかと思い手にしてみた次第です。ただし、目次を見限り、第九章は直接関わりのある章ですね。

 

第9章 天上の元素工場
神々と恒星たち
ヘリウムと水素
恒星内元素合成
自然界に存在する元素と、人間が合成した元素

 

 一緒に写っているCDはバロック期の作曲家Felice Giardini(1716-1796)のCDで、私好みのヴァイオリン二梃のための作品集。リラックスしながら聴くことができます。

 

建築書 ウィトルーウィウス

 紀元前33〜紀元前22年の間に書かれたと言われる、ウィトルーウィウス(B.C.i。ローマの建築家)の建築書の第九書に十二星座に関する言及がされています。

「この巻では日時計の造り方について、それが宇宙における太陽の放射線から針の影を通じてどんなふうに発明されたか、どんな理によって針の影が長くなったり短くなったりするのか、それを説明いたしましょう(森田慶一訳)」

 こうした宣言の後に、黄道十二宮にまつわる天球の営みが綴られています。

 

f:id:tupichan:20190828194902j:plain

建築書(ウィトルーウィウス


 まったく関係のないジャンルの中に、こうした天文関係の書籍を見つけると、とても嬉しくなってしまいます。手前の本は普及版。もともとの出版(うしろのちょっと大柄な本)は昭和44年に東海大学出版会よりラテン文の対訳の体裁で出版されていました。