夜の帳が降りて、星を想う

 猛暑が過ぎたとは思いませんが、遠くから聞こえてくる、あちこちの花火の音の合間に聞こえてくる虫の演奏者が増えはじめ、気持ちの良い秋風も立ちはじめています。


 湿気の多い、この時期にそよぐ微風は、クーラーの何倍も気持ち良く感じます。それにしても、この頃の天候不順といったら、例年の、それ以上ではないでしょうか。

 ペルセウス座流星群も、満足のいく天気ではなかったし、それ以降、ずっと曇天続きで雨が湿気の乾燥を手助けしているようです。


 まだ秋の夜長には遠いでしょうが、晴れない星空を想うアルバムを見つけました。

 もともと調べ物(フランス6人組)をしている時に偶然見つけた作品集で、2枚組のピアノ・アルバムです。


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 演奏しているのは神武夏子(こうたけなつこ)さんです。CDの帯には「フランス6人組演奏家」とクレジットされています。そう、実はこのアルバムを手にした理由は「フランス6人組演奏家」の作品集をまとめたアルバムはないかなぁ、というところで出会った一枚なのでした。


「夜リラックスしている時に聴きたい曲」「天気のいい昼時のカフェで聴きたい曲」として2枚に分けて収録しています。1枚目の夜に聴きたいディスクを「キエチュード(穏やかな)」というタイトル、昼に聴きたいディスクを「ヴィヴァシテ(活発な)」というタイトルを付けています。


 これを選曲したDJの持田氏は200曲以上に渡るピアノソロ作品の中から選曲して「クラシックのCDとしては反則技の連続」を承知の上で、前の曲のエンディングと次の曲のイントロが繋がりを持つようなストーリー展開のある構成を念頭に置いたようです。

 しかし、それが功を奏して(というか、個人的にはそうした反則?は気になりませんが)、非常に聴きやすく、どちらのアルバムも、昼夜を問わずリラックスして聴くことができました。


 フランス6人組の中ではもっとも知名度と人気のあるプーランクとかミヨーなんかは、アルバムもかなりの数がリリースされていますが、それ以外の4人のピアノ曲に関しては、私は全くの初耳で、それを聴くことができただけでもラッキーなのに、絶妙の構成で体全体の力を抜いてリフレッシュしたい時など、ものすごーくリラックスできるアルバムを見つけて嬉しかったです。梅雨っぽい空を眺めながら、夜想曲が入っていないにもかかわらず、最近良く聴く一枚になりました。



フランス6人組」に対して「フランス1人組」などと称された作曲家もいます。


フランス6人組

ルイ・デュレ(1888-1979)

♪アルテュールオネゲル(1892-1955)

ダリウス・ミヨー(1892-1974)

♪ジェルメーヌ・タイユフェール (1892-1983)

フランシス・プーランク(1899-1963)

ジョルジュ・オーリック(1899-1983)


フランス1人組

ジョルジュ・ミゴ(1891-1976)

 彼は『獣帯(黄道十二宮)』や『小さな羊飼いの暦』というピアノ組曲を作曲していて、まさに「星の夜」の音楽です。