星占いの文化交流史

 以前図書館で借りた本ですが、絶版となってしまいました。古書で探すと結構な高値が着いていたので、価格が下がるまで待っているとなんと復刊の知らせが!新装版としてめでたく先週復刊されました(奥付では2019/05/20)。タイトルはシンプルに「星占いの文化交流史」。新装版と言うからには、どこが変わっているのか確認したところ、見た目ははっきりとわかりますが(表紙が違う)、先生のWebページに掲載されている正誤表、つまり本文の誤植が訂正されています。

 

https://www.cc.kyoto-su.ac.jp/~yanom/pdf/errata.pdf

 

 もともと天文学占星術から生まれ、両者の顔を持つケプラー曰く「愚かな娘である占星術は、一般では評判のよろしくない職業に従事し、その利益によって、賢いが貧しい母である天文学を養っている」ケプラーは数理によって天の調和を導くため、星占いを行なっていたのです(『コスモス』の中でカール・セーガンは最期の伝統的占星術師と書いていました)。こうした経緯のある両者ですが、現在、両者は袂を分けているので、星のソムリエ的にも個人的にも、星占いを顧みることはないのですが、ケプラーまでの占星術の辿って来た歴史、人びとに影響を与えていった流れには非常に興味を持って接して来ました。だからこうした本はよく読みます。ただし、私が読む、この種のほとんどすべてには、日本人の占星術師の権威と呼ばれている方や、現役占星術師の「推薦」はありません(笑)。

 帯のコピーにあるように
「星占いの起源と歴史を知っていますか?」 
「科学としての占星術の発展と伝播と追い、私たちの古代・中世イメージを覆す!」

 といった内容に興味のある方は「安心して」読むことができます。

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星占いの文化交流史(矢野道雄)

 

第一章 バビロニアから日本まで
1.西安の夏
2.ユーラシアの舞台
3.東寺の火羅図

第二章 占星術の始まり
1.創造神話
2.観測記録
3.ホロスコープ占星術の誕生

第三章 ヘレニズムの占星術
1.宇宙論占星術
2.ヘレニズムという時代
3.同心天球と曜日の順序
4.エジプトの役割
5.『テトラビブロス
6.エジプトの占星術

第四章 地中海からインドへ
1.海上交通の発達
2.インドの惑星と曜日の順序
3.ラーマのホロスコープ
4.ヴァラーハミヒラ
5.バビロニア南インド
6. 医学と占星術
7. インドの黄道座標

第五章 サーサーン朝ペルシア

第六章 インドから中国へ
1.インド古来の占い
2.科学の乗りものとしての仏教
3.新しい占星術

第七章 中国から日本へ
1.宿曜道
2.『七曜』

第八章 イスラーム世界の占星術
1. ペルシアからのイスラーム世界へ
2.歴史的占星術
3.クーシュヤールの占星術
4.『明訳天文書
5.アル・ビールーニーの『星学入門』

第九章 ジャイブルの夏
1. 私の研究計画
2.ジャンタルマンタル天文台
3.ジャイ・シング王のホロスコープ