近世日本天文学史(上)ー通史ー

 仕事からの帰り道、最寄りの駅から徒歩で30分の間西の方向を目指して歩くのが日課ですが、今日はこれが5月の星空か?と思えるほどの透明度で帰路を終えるまでの時間、彼らは付き合ってくれました。

 カペラの輝きからして尋常ではなく、北西の空高くに群青色に染まる夕刻の薄明の中で異彩を放っていました。その他の星々も、今は初夏の星々が頭上に輝いていることを忘れさせるようで、家の近くの住宅地に入ってからも、冬の大三角の輝星が姿を現し、犬星シリウスが向かいの家の庭先にギラギラと瞬く姿を見せてくれました。

 

近世日本天文学史(上)ー通史ー /  渡辺敏夫著(恒星社厚生閣

序章

第1章 古代の天文学概説
 1. 古代の天文学
 2. 大陸文化の輸入
 3. 暦日の施行
 4. 天文博士暦博士

第2章 西洋天文学の東
 1. 古代の天文学
 2. 大陸文化の輸入
 3. 暦日の施行
 4. 天文博士暦博士

第3章 『天経或問』
   1.『天経或問』の舶載

第4章 日本天文暦学の先駆者渋川春海と貞享の改暦
 1. 貞享改暦前の日本天文学
 2. 渋川春海と改暦
 3. 春海の天文学とその著作
 4. 渋川春海の門弟
    5. 安倍家(土御門家)
 6. 賀茂家(幸徳井家)
 7. 天文方

第5章 貞享改暦後の天文暦学
   1. 授時暦
 2. 授時暦意外の天文暦算書
 3. 長 暦
 4. 暦注書
    5. 交食考について

第6章 宝暦の改暦
   1. 八代将軍吉宗と禁書令の緩和
 2. 改暦御用観測始まる
 3. 天文方上京
 4. 帰府後の土御門と西川の交渉
    5. 西川正休の心底
 6. 天文方(西川正休)再度上京
 7. 新暦書校正の開始と正休の失脚
 8. 貞享補暦と宝暦改暦
 9. 西村遠里の宝暦改暦批判

第7章 宝暦暦法の失敗とその修正
   1. 宝暦13年9月朔日日食予報の失敗
 2. 宝暦暦法の修正
 3. 宝暦改暦前後の天文学


第8章 蘭学の交流と天文学
   1. 麻田の起り
 2. 麻田剛立天文学


第9章 寛政の改暦
   1. 寛政改暦に至るまで
 2. 高橋至時と改暦後
 3. 麻田派の人々


第10章 ラランデ天文書の入手とラランデ暦書管見
   1. ラランデ天文書
 2. 至時の著述
 3. 間重富


第11章 地動説の導入
   1. 本木良永と『天地二球用法』
 2. 地動説の伝播
 3. 志筑忠雄と『暦象新書』
 4. その後の地動説

 

第12章 浅草暦局の活躍と高橋景保
   1. 高橋景保
 2. 著書和解御用
 3. シーボルト事件
 4. シーボルト事件の周辺の人々

 

第13章 仏教天文学と梵暦運動
   1. 仏教天文学
 2. 釈円通と梵暦
 3. 梵暦反対論
 4. 円通梵暦運動の後継者たち

 

第14章 国学者天文学
   1. 和学古道学者たち
 2. 平田篤胤の古道説
 3. 佐藤信淵天文学
 4. 鶴峯戌申とその天文観

 

第15章 天保の改暦と渋川景佑
   1. 渋川景佑
 2. 天保の改暦
 3. 渋川景佑の著述
 4. 天文台とその属官
    5. 江戸幕府旧蔵洋書と天文書
 6. 土御門家とその暦学者たち

 

第16章 測量術と航海法
   1. 本邦の測量術
 2. 伊能忠敬と日本全図
 3. 関西以西の測量
 4. 伊能忠敬後の測量家
    5. 航海術について
 6. 天文方の航海術研究

 

第17章 測量術と航海法
   1. 民間における天文学
 2. 占候書について

 

第18章 太陽暦採用
   1. 江戸時代における太陽暦
 2. 太陽暦採用

まだまだ読み切れていませんが、目次だけ眺めていても楽しめますね~

 

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近世日本天文学