今年に入って初めて「曇」らしい天気になりました。それに寒い。
寒いのは冬だから当たり前だし、
冬じゃなきゃ味わえない季節感だし、
歓迎していますが、
夜になっても灰色の蓋がのっぺりとしてしまうと
気分も塞いでしまいそうです。
そんなとき、
雲の向こうの星空を想う曲を・・・
というわけで夜想曲を紹介します。
夜想曲と言えば代表はポーランドのフレデリック・ショパン(1668-1733)。
あまりにも有名ですね。
実はショパンに代名詞ともいえる夜想曲を書かせるきっかけとなったのは、
アイルランドの作曲家ジョン・フィールド(1782-1837)です。
今では「ショパンの」解説書に名前が登場するぐらいで、
ほぼ忘却の彼方に追いやられてしまっている感のある作曲家です。
ごく近いプロのピアニストに「フィールドなんてどうですか?」
と尋ねてみたことがありますが
「興味ない」という悲しい思いをしたことがあります。
もしも私がピアノを弾けたなら(そんな歌がありましたね、何十年も前に)
きっとドビュッシーの他、
フィールドの夜想曲を弾いるのに!
♬ ♬
前置きが長くなりたが、
今回はフィールドではありません(もう十分すぎるほど書いてますから)。
http://tupichan.net/Classic/Field_Noctorns.html
最近図書館で借りたアルバムの中に入っていた、
アレキサンダー・グラズノフ(1865-1936)の夜想曲です。
グラズノフはロシアの作曲家ですが、
見渡してみると、
結構ロシア人作曲家は「夜想曲」を書いています。
もっとも、フィールドやショパン、フォーレのようにまとまった曲集にはなっていませんが、
グリンカ(フィールドの弟子)、チャイコフスキー、ボロディン・・・
グラズノフのそれは、
いかにもロシアの大地を感じさせる♬ジャッジャーンという
ピアニストの「見せ場」をもつ小品で、
フィールド的(星空を想う)な表情を感じさせてくれるのは、ごく僅かです。
それでも今日のような曇った日には、こうした夜想曲でもピッタリかもしれません。