コスモス:時空と宇宙「生命の流れ」

原題は「Some of the Things That Molecules Do」です。

第2話となるこのエピソードの最後のシーンで、

セーガン博士がタイトルを語るシーンで締めくくられます。



セーガン版の第2話は「宇宙の音楽」原題を「One Voice in the Cosmic Fugue」

新シリーズの時空と宇宙では前回のシリーズのリニューアルということで、

タイトルこそ違えど、その内容は前回と同じテーマを扱っています。

だから今回のエピソードではちょくちょくオマージュ的なシーンが出て来て

ファンとしてはニヤリとさせられてしまうのですが、

あの衝撃的なアニメーションだけはリニューアルされず、

今回もそのままの形で再現されています。

嬉しいことに音楽もそのまま、ヴィヴァルディのマンドリン協奏曲が使われています。



今回の人為選択は犬。

そう、人間の生活には切っても切り離せない存在の友である犬が取り上げられています。

そして環境が進化を手伝った自然選択では絶滅危惧種となっているシロクマ。

こちらは映画「ミクロの決死圏」を思わせます。CGもよりリアルです。


DNA/RNAなんて言葉は、今では当たり前のように使われていますが、

この言葉を初めて聞いたのは「コスモス」でありセーガン博士の説明でした。

まるで合成保存食をゴテゴテと使ったアメリカン菓子のようなDNAの解説は強烈、

今でも思い出してしまいますが、今回はより実物に近い姿で描かれています。

それらが全ての生命に共通しているなんて、やっぱり驚きの連続です。

宇宙の話なのに、まさかこんな話を聞かされるなんて思っても見なかったことです。

しかし、宇宙はこの世のすべてを包括しているのだから

場違いなのではなく「コスモス」にとっては至極当たり前のエピソードなのです。

つまり生命に関する基本がわかっていれば、

安直な似非科学にだまされることは無いのです。この番組はそれも狙っていたはずです。



「木と私たちが親戚だとしたら?」


今回もセーガン博士だったら「美しい」と表現したであろう樹木の前でDNAの解説です。

しかも、この木はあれから30年経った今も美しく天に向かって伸び続けています。

タイソン博士も同じ木(ロンドンの植物園)を使って環境が遺伝子を選ぶ自然選択を話てくれました。

チョウ、オオカミ、キノコ、サメ、細菌、ツバメ… 皆家族。

こうした遺伝や進化の話をするのにぴったりの木。

セーガン博士が生まれる前から存在し、今も存在している木。

そして私たちの世代がそっくり次世代に引き継いだ後もそこに立ち続けているであろう木。

木は本当に美しく、力強く、私にとっては愛犬等と同じく癒しの対象である木。

この回のオマージュは、まさにこの木を使ったことによるものでしょう。


そして今回の目玉となりそうなのが目についての進化のお話。

目は元々、水中を見るために進化したそうです。

コスモスのタイトルバックも螺旋星雲が目に変化することからも、

このCREATURE'S EYE VIEWの映像は興味深く見ることができます(二分割)

また、オープニングでも登場するクマムシ


水がなくても120年も生き、摂氏150度、マイナス200度のもとに数分間置いておいても死なず、

真空に近い状態でも、強い放射線を当てても生き残る不死身の生物…


地球外で発見される生命としては最も適した生命なのかも知れません。

CGかと思っていましたが、本当にこんな姿のが生息していたんですね!

どんな姿かはネットで調べれば一発で検索出来ますので、ぜひ御覧あれ!

私はこのスタイルは、ちょっと苦手かも…



そして番組の最後にセーガン博士の台詞…

Some of the things that molecules do...



コスモス