天文遺産 宇宙を拓いた日本の天文学者たち(別冊日経サイエンス245)

現在日経サイエンスに連載中の「nippon 天文遺産」の既掲載分を再録・編纂した別冊が出版されました。

レプソルド子午儀と子午儀室(上)
レプソルド子午儀と子午儀室(下)
20cmトロートン望遠鏡
日本で最初に星空を撮影したブラッシャー天体写真儀
日本最古の星野写真乾板
65cm屈折望遠鏡と大赤道儀室(上)
65cm屈折望遠鏡と大赤道儀室(下)
ゴーチェ子午環(上)
ゴーチェ子午儀(下)
樺太国境を決めたバンベルヒ子午儀
日本最初の理科年表
東京天文台1号官舎
9cmバンベルヒ子午儀
三鷹国際報時所の門柱
リーフラー時計
写真天頂筒
20cm屈折望遠鏡と第一赤道儀
アインシュタイン塔(上)
アインシュタイン塔(下)
臨時緯度観測所本館と眼視天頂儀(上)
臨時緯度観測所本館と眼視天頂儀(下)
緯度観測所本館
電波望遠鏡 第1号
名大空電研1.5m太陽電波望遠鏡
6mミリ波望遠鏡
野辺山ミリ波干渉計
スプートニクエクスプローラーを追跡したベーカー=ナン カメラ
日ソ共同の衛星追跡で活躍 AFUカメラ
五島プラネタリウムカール・ツァイスIV型投影機(上)
五島プラネタリウムカール・ツァイスIV型投影機(下)

 

 数年前から日本の天文学にハマってしまいましたが、その水面下で連載されていたんですね。この『日経サイエンス』は、W大学で仕事をしていた時に化学の教授から「星の特集してたよ〜」といって、天文が特集されると、わざわざ持って来てくれました。そんなことを思い出すと懐かしいやら嬉しいやら。

 

日本の天文学

 

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別冊「日経サイエンス」天文遺産

 

ケプラーが聴いた音楽 その1

 ケプラーの『宇宙の調和』(1619)の中には、当時の現代音楽を、対象の比較として何曲かに言及しています。それらの音楽が、彼が考える『天球の音楽』というわけではありませんでしたが、それにかなり近かったのかもしれません。もっと古い音楽、グレゴリオ聖歌の中にも、ケプラーは嗅ぎ取っていたようです。

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VICTIMAE PASCHALI LAUDES/ Gregorian Chant

 彼が引用しているのはグレゴリオ聖歌のヴィクティマエ・パスカリ(復活のいけにえ)。この旋律は、のちにレスピーギ1921年に作曲した『グレゴリオ風協奏曲』のモチーフにも登場します。さらに言えばレスピーギは、ガリレオの父ヴィンセンティオのメロディを『リュートのための古風な舞曲とアリア』に引用しているので、レスピーギケプラーのように、天球の音楽を探していたのかもしれません、と考えると楽しいです。

王の就寝に捧ぐトリオ集(マレ)

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昼間、大雨だったようです…


 星空と関係はありませんが「夜想曲」関連で目に止まった曲。あのルイ14世がお抱えの作曲家アラン・マレに書かせた組曲で、王が寝付くまで演奏されたとのこと。CDではなんと2枚組なので、王様は不眠症だったのか? と余計な詮索までしてしまいそうです。この手の曲で有名なのは、このあとのバッハの『ゴルトベルグ変奏曲』でしょう。
 ルイ14世で天文がらみの面白いエピソードがあります。彼が『太陽王』と呼ばれたことは史実の中で語られているところですが、ルイ14世が在位期間(1643-1715)だった時期と、太陽のマウンダー期(1645-1715)が偶然にも重なりました。人々は太陽が冷えたのは、ルイ14世が太陽よりも派手に地上で輝いたからだと噂したとかしないとか… 実際にはまったく関連があるわけではありませんが、占星術などがまだ活躍していた時代だけあって、当時の人々はまことしやかに信じていたようです。

 それはさておき、このCDを流しながら聴いてみると、残念ながら私は第1組曲が終わる前に意識が飛んでしまっているようで、全曲をまだ通して聴くことができていません。ヴァイオリンとフルートの独奏楽器が活躍して、ゆっくりとメロディを奏でてくれているのが心地よく…

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王の就寝に捧ぐトリオ集

 

月の光(Tombelle)

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「月の光」トンベル


 「月の光(Clair de Lune)」といえば、ほとんどの人が思い出す曲と言ったら、ドビュッシーピアノ曲じゃないでしょうか。それぐらい彼の「月の光」はタイトルにふさわしい情景を思い描かせてくれます。それをさらに強く思わせてくれたのは、1974年にレコーディングされた冨田勲モーグシンセサイザーの演奏でした。何を隠そう、私が初めて「月の光」を耳にしたのは、この冨田勲版でした。

 他の作曲家でも同名のタイトルを作曲している作品はいくつかあって、今回紹介するのもそんな1曲です。
 メーカーによればドビュッシーラヴェルの先輩格にあたるフランスの作曲家、1854年生まれのフェルナン・ド・ラ・トンベルは、民謡収集家、詩人、画家、彫刻家、写真家、天文学者などなど多彩な顔を持つ作曲家と紹介されていました。個人的な注目は作曲家であり天文学者であるということ(今と違って何でもアリの時代が感じられますねぇ)。やっぱりそういう人の作品はたくさん聴きたくなってしまいます。サン=サーンスもしかり。

 というわけで、ブログのタイトルは「月の光」ですが、もう一枚弦楽四重奏曲も入れておきます(笑)。


CDレビュー

「月の光」という名のつく曲(家のCDから思いつくままに…)

「月の光(Clair de Lune)」
ガブリエル・フォーレ(歌曲、ピアノ編曲版)
クロード・ドビュッシーピアノ曲、歌曲)
・フェルナン・ド・ラ・トンベル(ヴァイオリンとピアノ)

「月の光に(Au clair de lune)」
レイナルド・アーン(ピアノ組曲

「月の光がふりそそぐテラス」
クロード・ドビュッシーピアノ曲

また、ピティナのピアノ曲事典で検索を掛けるとたくさん(52件)出て来ます。

 

 

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 本日(遅かったかな?)6/20(日)14:00~NHK-FMにてオンエアされる

www4.nhk.or.jpで宇宙にかかわりのある音楽を特集します。今回で3回目。私は情報をいただいてから(2021-06-10から1日間の記事一覧 - 星語り(一番星のなる木))らじるらじる(←聞き逃すと便利)で聴くことができました。

 

お時間のある方はどうぞ~

 

PS いつも情報ありがとうございます!