1642年1月8日は、
昨年の世界天文年の主人公だったガリレオの命日です。
奇しくも同じ年の12月25日には
アイザック・ニュートンが生まれました。
ガリレオが果たせなかった研究課題を
ニュートンが受け継いだ形になりました。
(今にして思えば、という話ですが、できすぎ)
今から400年前の1610年1月7日から8日の未明に掛けて、
ガリレオは自作の望遠鏡で木星の周囲にいる四つの星を発見しました。
のちにガリレオ衛星と言われることになる
木星の四大衛星です。
正確には四つの星の配置が全く異なっていたことに気づいたのです。
一六一〇年、つまり、今年の一月七日の翌夜の一時に、筒眼鏡で天体観測中、わたしはたまたま木星をとらえた。 わたしはたいへんすぐれた筒眼鏡を用意していたから、木星が従えている小さいけれどもきわめて明るい三つの小さな星をみつけた。 当初、わたしは恒星だと信じていたが、黄道に平行な直線にそって並んでおり、等級もほかの恒星より明るいという事実に、 かるい驚きを覚えた。木星にたいするそれらの星の配置は、つぎのとおりである。
(図省略)
東には星が二つ、西には一つあった。一番東と西との星は、もう一つの星より大きくみえた。木星との距離については、 気にとめていなかった。いま述べたように、恒星と考えていたからである。
ところが、運命の導きによってか、翌八日にもおなじ観測に たちもどって、その配置がまったく変わっているのを発見した。 次図に示したように、三つの小さな星はみな木星の西にあり、 まえの晩より相互に接近していて、いずれも等間隔であった。
(図省略)
星の相互接近など思いもおよばなかったので、ここでつぎの疑問にとらわれはじめた。 まえの日には、木星は上記の恒星のうち二つの星の西に位置していたのに、 いまはどうしって三恒星の東にあるのだろうか。 天文計算とくいちがって、指定された場所に存在せず、 固有運動によってこれらの星を追い越したのではないか、とわたしは疑った。
『星界の報告』ガリレオ・ガリレイ著/山田慶児・谷泰訳(岩波文庫)
☆以上☆
そんなことに思いを馳せながら、
日が沈んだ西の空に目を向けると、
穏やかに輝いていました。
木星は、
ギリシア神話のゼウスの象徴であり、
夜半の明星と異名を取る星も、
そろそろ観望好機も終わります。
代わって金星が1月15日に外合となり
宵の明星として西天に姿を現し2月以降見やすくなります。
金星は、
(2/17の日没直後に両神々は接近します)