エイリアン 〜科学者たちが語る地球外生命(ジム・アル=カリーリ)

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ALIENS Science Asks: Is There Anvone Out There?

紀伊國屋書店から出版された
なんともアヤしく、それを想像させる表紙の本。
しかし副題には「科学者たちが語る地球外生命」とあり
帯には

「SFから科学へ」
天文学、宇宙物理学、生化学、遺伝学、神経科学、心理学…
各分野の第一線に立つ20人が、地球外生命の定義、存在するための条件と可能性、その形態、探査方法を検討。現実として浮かび上がる新しい「エイリアン」の姿。

と何ともそそられる宣伝文句が綴られています。私も書店で手にしたコーナーが理工書の棚であり、思わず手に取りレジへ。

 まだ読み終わっていませんが、見開きページの左側にあるパラパラマンガなど、久しぶりに同心に帰ったような、ワクワクする感覚を覚えながら楽しんで読んでます。2017年に「科学者18人にお尋ねします。宇宙には誰かいますか?」が日本で出版されましたが、それの米国からの応答のような感じでしょうか?どちらにせよ、冷静な目で見た現段階での地球以外の生命を語るまじめな本です。


 昨日まで天気がよかったので、寝る前に久しぶりに望遠鏡を出して、適当な星を選んでは覗いていましたが、遠くから眺めているうちは「行ってみたいなぁ」などと、思っています。しかし、現実には孤独であり過酷であり、ボイジャーのように振り返った時、地球の輝く姿(望遠鏡で覗いた時の星の姿のように)を見てありがたさを感じてしまう自分の姿が想像できます。だから訳者があとがきで書いているように「地球の生態系は、われわれ人類だけでなく、この宇宙にとっても守らなければならないという気持ちになる」に共感します。

 

〜もくじ〜
はじめに ー みんなどこにいるんだ?(ジム・アル=カリーリ)
Chapter01(宇宙論者:マーティン・リース)
われわれとエイリアン ー ポストヒューマンはこの銀河全体に広まるのか?

第I部 接近遭遇
Chapter02(宇宙生物学者:ルイス・ダートネル)
招かれざる訪問者 ー エイリアンが地球を訪れるとしたらなぜか
Chapter03(科学番組司会者:ダラス・キャンベル)
空飛ぶ円盤 ー 目撃と陰謀論をおおまかにたどる
Chapter04(認知神経科学者:アニル・セス)
地球上のエイリアン ー タコの知性からエイリアンの意識について何を知りうるか
Chapter05(心理学者:クリス・フレンチ)
誘拐 ー 地球外生命との接近遭遇の心理学

第II部 どこで地球外生命を探したらいいか
Chapter06(惑星科学者:クリス・マッケイ
ホーム・スウィート・ホーム ー 惑星をハビタブルなものにする条件は?
Chapter07(宇宙科学者:モニカ・グレイ)
隣家の人 ー 火星の生命を探る
Chapter08(宇宙生物学者:ルイーザ・プレストン)
もっと遠く ー 巨大ガス惑星の衛星は生命を育めるか?
Chapter09(数学者:イアン・スチュアート)
怪物、獲物、友だち ー SF小説のエイリアン

第III部 われわれの知る生命
Chapter10(無機合成化学者:アンドレア・セラ)
ランダムさと複雑さ ー 生命の化学反応
Chapter11(進化生化学者:ニック・レーン)
深海熱水孔の電気的な起源 ー 生命は地球でどのように生まれたか
Chapter12(分子遺伝学者:ジョンジョー・マクファデン)
量子の飛躍 ー 量子力学が(地球外)生命の秘密を握っているのか?
Chapter13(理論物理学者:ポール・C・W・デイヴィス)
宇宙の必然 ー 生命の発生はどのぐらい用意なのか?
Chapter14(進化生物学者:マシュー・コップ)
宇宙の中の孤独 ー 異星文明はありそうにない

第IV部 エイリアンを探す
Chapter15(遺伝学者、著作家:アダム・ラザフォード)
それは銀幕の向こうからやってきた! ー 映画に見るエイリアン
Chapter16(宇宙生物学者:ナタリー・A・キャブロール)
われわれは何を探しているのか? ー 地球外生命探査のあらまし
Chapter17(惑星科学者、宇宙物理学者:サラ・シーガー)
宇宙にだれかいるのか?ー テクノロジーと、ドレイクの方程式と、地球外生命の探索
Chapter18(宇宙物理学者:ジョヴィンナ・ティネッティ)
大気に期待 ー 遠くの世界に生命のしるしを見つける
Chapter19(天文学者:セス・ショタク)
次はどうなる? ー 地球外知的生命探査の未来

アンドロメダとペルセウス(ミヒャエル・ハイドン)

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アンドロメダペルセウス(M.ハイドン

音楽の世界で星空と関わりのある曲を日々探していますが、
オペラの世界は広すぎて、なかなか目が行き届きません。
レコーディングされていればネット上で目にとまることもあって
自分にとっては「新作(初めて聴く)」に等しいから
発見したときは嬉しくなってしまいます。

今作は「交響曲の父」といわれたハイドンの弟ミヒャエルの作品です。
ミヒャエルは生前兄よりも人気作家だったそうです。
ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809)
ミヒャエル・ハイドン(1737-1806)

ちなみに私がクラシックの作曲家の話をするとき
良く比較する作曲はハーシェルです。
ウィリアム・ハーシェル(1738-1822)

このオペラは1787年に初演以来再演されることが無かったとか。
アンドロメダの題材はオルフェウスと同じく比較的多く書かれているようです。


フランチェスコ・マネッリ(Francesco Manelli, c.1595-1667) /ベネデット・フェラーリ(Benedetto Ferrari, 1597-1681)
アンドロメダ』1637
ヨハン・ヤコブ・レーヴェ(Johann Jacob Löwe, 1629-1703)
アンドロメダ』1659
ジャン・バティスト・リュリJean-Baptiste Lully', 1632-1687)
ペルセウス』1682
アントニオ・ヴィヴァルディ(Antonio Vivaldi, 1678-1741)
『救われたアンドロメダ』1726?
ジョヴァンニ・パイジエッロ(Giovanni Paisiello, 1740-1816)
アンドロメダ』1774
ユゼフ・エルスネル(Josef Elsner, 1769-1854)
アンドロメダ』1806

小寒

寒の入りです。すでに数日前から朝が以上に寒むて、
車のウィンドウは凍り付き、ドアが開きませんでした。
年が明けてから毎朝、庭の水など凍り付いてます。
小寒に撮影はできそうにないので、1日前に撮影しましたが、
日が昇る前の東天がライラックの様な色彩で
つい見とれてしまいました。

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日の出(1月5日、小寒前)

 

年越し南極老人星

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豊島区の慈眼寺

 昨日は昨年に引き続き麻田剛立の門下生、高橋至時、その弟子伊能忠敬、そして巣鴨まで足を伸ばして洋画家司馬江漢のお墓巡りをしてきました。
 家を出た時にはどんよりとしていた雲行きも、浅草天文台跡についた時には昨年と同じような晴天が広がりました。そして今回は麻田剛立の後だけに、前回とは違った心持ちで墓前で手を合わせました。高橋至時の右に伊能忠敬、そして左側には息子の景保。

 

 帰路の途中から北風が強くなり、コートが飛ばされそうになるぐらい。立ち食いソバで早めの「年越しそば」を頂きました。

 

 除夜の鐘が鳴り始めたのを合図に家を出るとオリオン、シリウスなどの星が目の前に広がっていました。この時点ではまだカノープスの見える地平線が晴れているのかどうか判別できません。急いでいつもの場所へ急行すると送電線の赤色灯に並んでユラユラと明滅する老人星がいました。

 

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りゅうこつ座カノープス、地元では布良星とも

 

麻田剛立と日食(2019/12/26)

 今年2度目の日食が12月26日に起こりました。結果、見ることはかないませんでしたが夢が一つ叶いました。それは日本の天文学を築いた巨人を訪ねることです。

麻田剛立(1734-1799)。


 1763(宝暦13)年の日食予報を1年前に予報したことで、世間に名前が知られるようになった天文学者日本の天文学の縁の地を訪ねる旅シリーズ(勝手に命名しているマイ・ブーム企画)で、急遽決まった前倒しの休暇を利用して、今回の日食が千載一遇のチャンスとばかり、まだ訪ねていない麻田剛立に会いに行くなら、この日以外に考えられないと思い、計画もそこそこに新幹線へ乗り込みました。

 

 当然と言えば当然ですが、お墓参りに来る人は誰もおらず、暮れの慌ただしさとは無縁の時間と空間がここにはありました。どんよりとした空で、いつまで待っても欠けた太陽は顔を出すことがありません。腕を組んだまま空を見上げる剛立に「晴れませんねぇ」と声を掛けたものの、彼は身じろぎ一つせず、ただ雲の隙間から一筋の日彼が漏れることだけを期待しているようでした。
 そんな情景を想像しながら、自分自身も時々顔にパラパラと冷雨を受けながらじっと空を見つめていましたが、このまま待っていても日食は無理かなぁ、と思った瞬間、隣にいたはずの剛立の気配もなくなっていました。

 日本の天文学に興味を持ってここまでやってきました。まだまだ訪ねたい場所はたくさんありますが、わずか1年の間(去年の12月28日から始まった)に渋川春海高橋至時伊能忠敬間宮林蔵らの史跡を訪ね、とうとう麻田剛立にも会うことができました。しかも日食の日に。


 その他、地下鉄を駆使して(一日乗車券が便利)間重富、天文観測の地、山片蟠桃、岩橋善兵衛らのお墓参りをしてきました。特に翌日の岩橋善兵衛は、善兵衛ランドという立派な天文台を備えた施設で、2時間近く職員の方をお話をすることができて充実したなにわめぐりの締めくくりとなりました(実際の締めくくりは善兵衛のお墓参り)。

 

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麻田剛立と日食

 

日の出

新たに撮り直しを初めて最初のつまずき…
二十四節気の日に撮れたらという野望も、天候不順で撃沈。
12月22日はえこっくるの講座(観望会もあり)も控えていましたが、
朝から曇天、午後からは雨まで降ってきました。
この雨が雪に替わったら、
もしかしてふたご座流星群のもたらすホワイトクリスマスになりはしないかと、
かつての石田五郎先生の話を子供たちにも聞かせてあげました。

本日の日の出の条件は2日前の冬至と変わらず。
日の出時が更に遅くなっていますが、
日の出時の方位は変わらず。
ここから見ることの出来る日の出としてはもっとも南寄りになりました。

 

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日の出、12月24日

 

立体星座

立体星座を作ってみました。以前は手先の器用なサザンクロスのメンバーOさんに作ってもらっていましたが、自分でも作ってみたいと常々… 次の講座は星座早見盤作りなので、宇宙は立体なんだよと知ってもらおうと、なんとか間に合わせました(間に合った…)。


まだ縁とか仕上げを施していないので、段ボールが見えてビンボッチイですが、今度の講座でお披露目。


材料:
スーパーでもらった空きの段ボール(確かこれはせんべい)
手芸用テグス(釣り糸でも可)
発泡スチロール(球)
アクリル絵の具(オレンジと水色)
カラーケント紙

両面テープ。
星のデータ(距離)は天文年鑑より。

 

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横から見たオリオン座

 

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地球から見た、見慣れたオリオン座