現存する最古の天文書として知られる、
アラトスの【ファイノメナ】が昨日アマゾンより届きました。
(以前と比べるとスッキリした梱包かな)
翻訳は【星辰譜】です。
この書籍は、他にも同じ時代の詩人が自然界から得られる
「教訓」を詩に託して歌い上げた叙情詩が収録され、
冒頭にアラトスが登場します。
もしかすると、これが全文初登場でしょうか。
星座のみ(前編)ですが、
そちらはタイトルにもあるようにグロチウスの書いた星座絵図入で、
私にとって、星空案内人を目指す身には嬉しい出版物です。
アラトスのこの天文書は、
体系化したものとしては最古の書物になります。
のちに両書籍の間違いを正して44星座を49星座に増やした
さらにプトレマイオスが【メガレ・シンタクシス】の中で
48星座に改め今に生きています。
これがのちに【アルマゲスト】と訳され、
この中に紹介されている星座は今もって星空に架かっています。
アラトスはホメロスやヘシオドス等の研究をしていたこともあり、
序文ではゼウスを讃える歌で始まります。
そして二大詩人の韻律や形式を継承し
この叙情詩の中でも生かされています。
そこがまたいい。
一部、序歌より遥かな古を感じ部分を抜粋します。
「・・・この神こそ星座を見分けられるようにして
天空に数々のしるしを固定させた
・・・的確な目印を人間どもに与えてくれるような星たちを
あれこれと用意してくださったのだ」
(伊藤照夫訳・京都大学学術出版会)
ホメロス(紀元前9頃)
ヘシオドス(紀元前8末頃)
エウドクソス(紀元前408-355)
アラトス(紀元前315-240)
ヒッパルコス(紀元前190-125)
プトレマイオス(2世紀前頃)