マクロコスモス(ジョージ・クラム)

 現代音楽の中にあって、難曲中の難曲と言われる「マクロコスモス」。ピアノを打楽器として使うことも想定し、ピアノ内部にも異物を挟み込む「プリペア ド」という奏法で表現する大曲。その性格のため、なかなか演奏される機会がありませんが、2019年に日本人の清水美子のCDがリリースされ、ちょっとし た話題にはなりました。しかし、それでも全曲というわけにはいかず、とりあえず2019年現在では、ドイツのベルリン・ピアのパーカッションというユニッ トのCDが2011年に全4部作をレコーディングしてくれたアルバムが、その全貌が明らかにしてくれています。

 20世紀に入り星座をテーマとした無調の現代音楽が数多く作曲されました。ミゴ、ブーレーズ、ケージ、シサスク、シュトックハウゼン、そしてクラム。どの曲も調性音楽とはかけ離れた自由な表現方法で、おおよそ古代ギリシアに広まった星座の世界の、現代人が考えるようなロマンチックな音楽とはほど遠い音楽となっています。この手の音楽は曲目に思いっきり惹かれるのですが、いざ聴いてみるとオカルト映画のB.G.M.なみのおどろおどろしさもあり、実際にこれを流しながら眺めてみる勇気はありません(笑)

f:id:tupichan:20191206223419j:plain

マクロコスモス(ジョージ・クラム)