星語り(一番星のなる木)

星と天界の音楽

夜想曲 / グスタフ・ホルスト

ホルストの『惑星』を聴いたことがある人なら、

冥王星を作曲していたら、どんな曲になっていただろう」

という思いに駆られたことがあるのではないでしょうか。

彼の宇宙観は、多くの、特に現代人にとって共感を得ていますが、

初演からステレオによる録音(カラヤン)の期間に限っては

今ほどの人気も無く

様々な演奏可能条件から演奏機会に恵まれませんでした。

当時のリスナーにとって

シェーンベルグらの現代音楽と同じ位置づけだった

と言っても言い過ぎではないでしょう。


ホルストの書いた「夜想曲」

そうした現代音楽の流れを反映したようなパッセージが至る所に現れ

シンプルなピアノという単色だけによりいっそう際立って聴こえます。

しかし、オープニングの音色は

海王星のエンディング、というよりも太陽系の果てにある第8の天球、

セイレンの歌声で締めくくられ

人間の世界とは違った澄んだ神秘的な歌声にも似て

汚れを知らぬ星々の瞬きを思わせてくれます。


もしかしたら、

トンボーが冥王星を発見した年(1930)に作曲された

この夜想曲の雰囲気が第8曲目に繋がったかも知れない、と考えると

楽しい1曲です。


ただ、そんな神秘的な雰囲気を打ち壊すかのような一撃は

なるほど、現代音楽だなと、当時の音楽観が見えて来るようです。

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この曲にはピアノソロ版とピアノ連弾版のスコアが残されていて

写真の手前(赤い方)がピアノ連弾(York2)による演奏で、

奥のアルバムにピアノソロ版が収録されています(Duncan Honeybourneのピアノ)。

クック(マーラー交響曲第10番を補筆完成させた研究者ではない)のピアノ作品を中心に

ホルスト夜想曲ヴォーン・ウィリアムズの「小さなピアノの本」の夜想曲などを聴く事が出来ます。

また、ブラスバンドのために作曲した『組曲』の第2曲にも夜想曲が置かれ

こちらはロマンティックな香りの漂うセレナーデ風です。