「星の話」(1980年6月1日放送)音楽の絵本より

串田孫一さんの朗読が日曜の朝に流れていました。

題して「音楽の絵本」

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今にしてみれば、もっと耳を傾けていれば良かったのですが、

私が聞いたのは、この1回だけ。

しかも、幸いなことにエアチェックしたテープがまだ残っています。



1984年と2002年に『音楽の絵本』というタイトルの本が出版され、

1500回も続いた朗読のうち、幾つかを紙上で楽しむことができ、

また、1500回目となる最終回分は付属CDで聞くことができます。



残念ながら、私が唯一聞いた「星の話」は掲載されていません。



なので、せっかくだからここに掲載させてもらいます。

また、下記リンク先では、

この番組の中で、星にまつわるタイトルのオンエア日を紹介しています。


音楽の絵本/串田孫一





音楽の絵本「星の話」(1980年6月1日放送)


1970年6月1日、東京天文台の古畑正秋さんと対談をした。

早めに出て、

途中で買い物をしたり、

偶然出会った古い友だちと立ち話をしたりして

会場へ行った。


これを掲載する雑誌の方では

特にテーマを考えているわけではなく、

私たち二人の星の話を

今年の夏に出る雑誌に載せたいというだけで

編集部の人も

特に星に興味を持っているわけではない。


初めてお目に掛かる古畑さんも

積極的に話をされる方ではないし

私は専門家の前に座らされた素人であるから

話がうまくまとまらない。

私は、冬、

霧ケ峰で夜10時ごろに、

雪の中を歩いていると

奇妙な光がゆっくりと水平に流れていくのを見たのを思い出して、

その話をした。


これは私だけが目撃したわけではなく

帰ってきて新聞を見ると

怪しい光を見たという報告が

各地から新聞社にも集まったらしく

かなり大きく扱われていた。

古畑さんは、そのことを記憶してはおられなかったが

私が詳しく話すのを黙って聞いておられてから

「それは流星です」と言われた。


患者に詳しく体の悪いところの説明をさせて

何も診察もせずに

「それは肝臓です」と言われたのと似ているのではないかと思った。


帰りは自動車が用意してあって、

私たちは同方向なので一緒に乗ったが

その古畑さんは

車の中では

いろいろ星の観測についての面白い話をされた。


続きはこちらで

音楽の絵本/串田孫一