目の錯覚というやつ

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昨夜まで雨戸を激しく叩いていた南よりの風雨も、

寝ている間に通り過ぎたらしく、

いつもより遅く目が覚めて窓の外を眺めると

まんまるお月様が隣の家の屋根の上で腰を掛けていました。


「やっ」


稲垣足穂だったら

ここで何か物語を書くだろうに、というような表情をしたお月様です。


「それにしてもでかいなぁ」


と思っていると、

「はっ」としたような表情をみせてから、

こちらの存在に気づいたのか屋根の向こうへ足早に動き出しました。



先日、エコックル江東で「月の話」をしてきました。

「いったいぜんたい、おつ月まってやつはどれぐらいの大きさなんでしょう?」


子供たちに質問します。

「自分の腕をいっぱいに伸ばした時のお月様の大きさは?」

1.ゴルフボールぐらい

2.5円玉の穴の大きさぐらい

3.サッカーボールぐらい


望遠鏡の工作の後に観望会を控えていたので答えを言わずに

「あとで確かめてみよう!」と説明します。


「えー、ひどーい!」

なんて声も聞こえてきましたが、

答えは自分で見つけないとね。


自分の作った望遠鏡で見る月の姿に興奮しつつも、

先程の説明を覚えていてくれた子供たちはさっそく大きさを測っていました。


この答えは皆さん意外に思っていたようですが2番です(50円玉でも)。

実は空にあるものの大きさを測るというのは難しいのです。

というのも「大きさの基準が何もないから」です。


昇ってきた月や太陽、

あるいは沈み行く月や太陽が大きく見えるのは目の錯覚。

月や太陽の大きさを地平線近くの木や建物で比較してしまうと大きく見えてしまうのです。

(厳密にいうとそれだけではないのですが、ここでは省略します)

ものは試しに天頂の月と地平線の月を5円玉を使ってみるとわかります。

全然難しいことはありません。