夜想曲(コープランド)

久しぶりに大雨となりました。


こんな日は星空を想いながら、夜の世界に思いを馳せながら夜想曲に耳を傾けます。

今日はアメリカの作曲家、アーロン・コープランド(1900-1990)。


 無調に近い音楽がゆっくりと流れるヴァイオリンとピアノのためのノクターン。この臭いはドビュッシーの夜の世界。どうやら第一次世界大戦の影響で、アメリカの敵国だったドイツへの留学はほとんど避けられ、フランスに向かったことが若手作曲家たちに少なからぬ影響を与えたとか。そう思って、コープランドが1926年に作曲したこの曲に耳を傾けていると、ドビュッシーの後期に書かれた「前奏曲集第2巻」に近い作風であることに気がつきます。霧とか枯れ葉といった抽象的な音世界。

 ドビュッシー以降、「夜想曲」というジャンルは、もはや音楽的にフィールドやショパンの形式に倣っておらず、タイトルだけが一人歩きし始めています。この世界は夜からの語りかけのようです。アニミズムといった世界。


 私がこの曲を知ったのは、ギル・シャハムアンドレ・プレヴィンがレコーディングした『AMERICAN SCENES』という米国の現代作曲家の小品を集めたアルバムからですが、ヴァイオリンのギル・シャハム(1971生)の父が天体物理学者のヤコブ・シャハム(母も遺伝学者という血筋・・・)というのも嬉しいです。もしかしたら、ヤコブから天文学の話を聞かされ、潜在意識の中に宿っているかもしれませんね。かといって、これといった宇宙との関わりのあるエピソードは見当たりませんが・・・

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http://tupichan.net/Classic/Noctorns.html

American Scenes

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