“私は『第8交響曲』を完成したところです。

 今まで作ったもののなかで最大のものです。

 それに内容、形式ともきわめて独特のものなので、

 それについて書くことができないほどです。

 大宇宙が鳴り、

 そして響きはじめることを想像してみてください。

 それはもう人間の声ではなく、

 天空をめぐる惑星であり、恒星なのです”


マーラーが弟子のメンゲルベルグに送った手紙の一節で、

交響曲第8番を、これ以上になく的確に言葉で表現したものではないでしょうか?


“これまでの私の交響曲は、

 すべてこの曲の序曲に過ぎなかった。

 これまでの作品には、

 いずれも主観的な悲劇を扱ってきたが、

 この交響曲は、

 偉大な歓喜と栄光を讃えているものです”


とも書いています。


1994年に始まったピエール・ブーレーズマーラーチクルス。

当初は器楽交響曲(6、7、5、9、1)のみレコーディングという話が、

あれよあれよという間に声楽付き(4、大地、3、2)を進め、

最後に残った大曲『千人の交響曲』をどうするんだろうと思っていたら、

今年の4月にベルリン国立歌劇場管弦楽団とコンサートを行いました。

もしやもしやと思っていたら、

グラモフォンのウェブサイトには2007年10月リリースという情報が出ました。


MAHLER: Symphonie No. 8

Sopranos: Twyla Robinson · Erin Wall · Adriane Queiroz

Altos: Michelle DeYoung · Simone Schröder

Tenor: Johan Botha

Baritone: Hanno Müller-Brachmann

Bass: Robert Holl

Choirs: Chor der Deutschen Staatsoper Berlin · Rundfunkchor Berlin · Aurelius Sängerknaben Calw

Chorus masters: Eberhard Friedrich · Johannes Sorg

Orchestra: Staatskapelle Berlin

Conductor: Pierre Boulez


Recording Information:

Recording: Berlin (Jesus-Christus-Kirche), 04/2007

Executive Producers: Valérie Gross & Ute Fesquet

Project Coordinator: Matthias Spindler

Producer: Christian Gansch

Recording Engineers (Tonmeister): Ulrich Vette & Hans-Ulrich Bastin

Assistant Engineer: Wolf-Dieter Karwatky


今まではクリーブランド、ウィーン、シカゴを振っていましたが、

今回はドイツ国立歌劇場管弦楽団

オケのスケジュールの都合でしょうか?

会場の都合でしょうか?

実は交響曲第2番もライヴDVDとしてこのオケを振って商品化しています。


いや~それにしても。

完成させてくれましたね。「全集はしない」と言っていただけに嬉しいです。


しかし、3、2がブーレーズ本人のポートレイトでしたが

(それまでのジャケットシリーズ気に入っていたのですが、どうして止めたんだろう)

今回の8番も本人のポートレイトです。

ラヴェルのアルバム(歌曲集)で似た体裁のジャケットがありますが、

更におじいちゃんになったブーレーズです。

それにしても、おじいちゃんがジャケットになってもカッコヨク見えるのは、

クラシックの世界だけでしょうか?


10月が楽しみです。


ちなみに私のこの曲のフェバリットはショルティ/シカゴです。

マーラーバーンスタインブーレーズ

http://tupichan.net/JukeBox/Mahler.html


『コスモス』では交響曲第2番がエピソード2で流れます。

その話はまたいずれ…


http://tupichan.net/Cosmos/COSMOSbyCarlSagan.html